大手商業施設運営企業様

IPコラボ飲食ブランドの海外展開支援 ― 市場調査から現地サプライチェーン構築まで (2年2ヶ月のご支援)

クライアント

大手商業施設運営企業様

対象事業

人気IPとのコラボレーション飲食ブランド(らーめん業態) 国内3店舗を展開し、海外にも進出実績のあるブランドです。

支援期間

2024年6月 〜 2026年8月(約2年2ヶ月・週次伴走)

 

ご相談の背景

国内で成功したIPコラボ飲食ブランドを、海外へ展開したい。

 

そのご相談から始まった案件でした。ただ、話を進めるうちに見えてきたのは、出店先の選定や現地パートナー探しといった「表側」の課題よりも、商品を現地で作れるかどうかという、もっと手前の問題でした。

 

きっかけは一つの飲料でした。ブランドの定番メニューに使われている日本製の飲料が、進出先の国では製造拠点がなく、輸入すれば関税で現地売価が跳ね上がってしまう。「日本と同じものを、現地の価格で出せない」。この一点が、店舗の収益構造そのものを揺るがしていました。

 

海外展開とは、看板を海外に出すことではなく、その商品を現地で成立させるサプライチェーンを一から作ることでもある。この案件は、そこに正面から取り組んだものです。

 

支援内容

フェーズ1|進出国の選定と、出店の成立条件の見極め(2024年6月〜2025年6月)

  • 現地FCパートナー候補企業のリストアップと評価
  • 現地大手百貨店との取引契約書のレビューと条件整理
  • 出店収支シミュレーションの作成(投資回収期間、原価率シナリオ別の損益比較)
  • 現地都市の外食マーケットリサーチ(IP関連商業施設の動向、日系飲食業態の進出・撤退事例の分析)

フェーズ2|海外FC展開の基盤づくり(2025年2月〜6月)

  • 店舗運営SOP(標準作業手順)の骨子策定 ― 身だしなみ、衛生管理、仕込み、接客オペレーション

 

国内で回っているオペレーションは、多くの場合「その店のベテランの中」にあります。海外でFC展開するには、それを言語化し、誰が読んでも同じ品質で再現できる形に落とす必要があります。ブランドの品質を守る土台として、ここを整備しました。

フェーズ3|現地OEM工場の探索と選定(2025年9月〜12月)

  • 食材(麺・スープ・チャーシュー)のOEM工場探索:14工場を調査し、6工場へ絞り込み
  • 飲料のOEM工場探索:7社を調査し、2社へ絞り込み
  • 各社とのNDA締結、サンプル製作の手配、MOQ・原価・開発費用の比較検討

 

工場探索にあたっては、ブランド名も依頼主も伏せた状態で調査を進めました。
有名IPの案件だと分かった瞬間に、見積の前提が変わってしまうためです。素の条件で比較できる状態を作ることを優先しました。

フェーズ4|規制対応と品質管理体制の設計(2026年1月〜4月)

  • 進出候補国の輸入規制・認証要件の調査(食器類の輸入禁止リスクを含む)
  • 商品ラベルの現地食品表示規制への適合対応(原材料表示順序、食品添加物表記、アレルゲン表示)
  • 第三者検査機関への検体提出と結果管理
  • 日中バイリンガルの品質基準書(QAドキュメント)の設計
  • 工場での製造記録フォーマットの導入

フェーズ5|量産準備と、商社への引き継ぎ(2026年5月〜8月)

  • 大手総合商社を商流に組み込み、工場との契約締結に向けた調整
  • クライアント様・現地工場の引き合わせ会議のファシリテーション(通訳を含む)
  • 現地の契約慣行・商習慣に関する助言
  • 初回ロットの製造スケジュール管理、出荷前検品体制の設計
  • 商社への業務引き継ぎ

 

成果

1|「現地で作れる」状態を作った

 

調査開始時点ではゼロだった現地生産の選択肢が、飲料OEM工場の確定という形で実現しました。関税に依存しない原価構造の目処が立ったことで、出店の収支計画そのものが成立可能な水準になりました。

 

2|ラベル・規制対応を完了させ、申請を通した

 

現地の食品表示規制に適合したラベルを確定し、営業許可証・生産許可証・出荷検査報告等の必要書類を提出。商社・現地パートナー双方から適合の確認を得るところまで到達しました。

 

3|属人化しない仕組みとして引き渡した

 

SOP、品質基準書、製造記録フォーマット、検品体制。支援が終わった後も回り続ける形にして、商社へ引き継ぎました。

 

4|海外展開の判断材料を、意思決定できる粒度で提供した

 

複数国・複数パートナー・複数工場を横並びで比較できる状態を作り、「どこと、どう組むか」を判断できる材料をお渡ししました。

 

支援終了時点の状況について

本支援は、現地1号店の開店準備が最終段階に入った時点で、当初の役割を終える形で完了しました。工場の確定、ラベルの確定、各種申請の完了、商社への引き継ぎまでを担い、以降の量産・開店フェーズは商社・現地パートナーへ引き継いでいます。

 

この案件で担った役割

海外展開支援というと、市場調査やパートナー紹介で終わることが少なくありません。この案件で担ったのは、調査から先の、実際にモノが作られ、規制を通り、店に届くまでの実装でした。

 

  • 現地に足を運び、工場と直接やり取りする
  • 「なんとなくOK」で流れそうな品質確認を、書面と基準に落とす
  • 契約慣行の違いを踏まえて、契約と支払いのスキームを設計する
  • 最終的に、事業会社や商社が引き継げる形に整える

 

海外に出るとき、いちばん時間がかかるのは意思決定ではなく、決めたことを現地で成立させる工程です。ここに伴走します。

 

こんなご相談に対応しています

  • 国内で成功した業態を海外に出したいが、何から手をつければいいか分からない
  • 現地生産・OEMの検討を進めたいが、工場の探し方も見極め方も分からない
  • 海外FC展開に向けて、オペレーションを標準化したい
  • 現地の食品規制・輸入規制への対応が必要になっている
  • 調査だけでなく、実行まで並走してくれるパートナーを探している

 

株式会社佐藤 お問い合わせはこちらから

 

prev前へ 実績一覧へ戻る

関連記事

記事がありません。